The RIAS Bach Cantatas Project (RIAS studio recordings from Berlin, 1949-1952)
2012-04-20


The RIAS Bach Cantatas Project (RIAS studio recordings from Berlin, 1949-1952)禺画像]

第二次戦後になり指揮者として颯爽と登場したカール・リステンパルトは、当初、RIAS(Radio in the American Sector) of Berlinの指揮者となっていた。ここで、バッハ・カンタータの全曲録音プロジェクトが計画され録音を開始したのである。しかしながら財政的な理由から録音は未完のまま中断されてしまった。これらの録音はレコードとしてすら発表されることはなかったものが、今年初めて保存状態の良い一部がCDおよびMP3音源として発売されることとなった。

録音年代は1949-1952であるが、いずれも状態の良い録音である(当然モノラル録音)。演奏解釈は、その後あたかも主流派の様に奉り上がられてしまったリヒターのような重厚さ、厳格さはなく、むしろ今日的といってもよいような、過剰な部分のない軽快なものである。楽器こそ現代楽器であるが、その後やってくるオリジナル楽器による演奏解釈を先取りしているかのように思われる。

歌手陣には、アグネス・ギーベル(ソプラノ)、ヘルムート・クレプス(テノール)そしてディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)など、バッハ演奏の常連が出演し充実している。

その後バッハ・カンタータの優れた録音が数多く行われていることを知っている現在、この古い録音をわざわざ聴かねばならない必要性は低いかもしれない。しかし、当時の演奏スタイルへのステレオタイプを破り、敗戦後ドイツの復興への思いを秘め、現在でも新鮮なスタイルのこの演奏には傾聴すべき価値があると思う。

録音はCDとMP3の2種が販売されている。価格的にはMP3の方が安価。

AmazonのMP3は著作権コントロールもかかっておらず取り扱いやすいのだが、海外のAmazonサイトの価格にに比べると一般的に割高なのが難。何とかならないものか。


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